■ VOICE vol.06-032(発行:2006/10/16)
【グッドイヤーウェルテッドに魅せられて】
グッドイヤーウェルテッド(グッドイヤーウェルト製法)は、1879年にアメリカ人のチャールズグッドイヤーjrによって考案された製法です。この製法の最大の特徴は、それまで手作業で行っていたウェルトをかける工程を機械化し、格段に生産効率が上がったことにあり、靴の生産において大きな発展を遂げました。

ということは見方を変えると、手作りがもてはやされる昨今では、大量生産を前提としたグッドイヤーウェルテッドは、一つ一つ職人が手感を生かして作り上げるハンドソーンウェルテッドよりも下に格付けしてしまいがちですが、実はグッドイヤーウェルテッドとハンドソーンウェルテッドは似て非なるもので、それぞれにすばらしい特徴があります。

たとえば、私達Shoe Republicがメインの製法としているハンドソーンウェルテッドは、製法上の理由で厚いインソールを使う必要が有り、またラスティングやウェルティングを手作業で行うということから、しっとりとした履き心地(Shoe Republicでは、しっとりの加減にこだわっています)を得ることができます。それに、一足ずつ作るので、制作時にお客様一人一人に合った調整を施すことが可能であり、オーダーメイドに適した性格を持っています。

一方、グッドイヤーウェルテッドは、ウェルトを縫い付けるリブの幅が、ハンドソーンの約10ミリ(革インソールに溝を彫って加工)に対し、厚織りの布を二つ折にした比較的薄いものなので、高いテンションでウェルトをしっかり縫いつけることができるため、靴を履いた時には靴の一体感しっかり感を感じることができます。また、丈夫に作られているため十分な耐久性を持っています。さらに、ボトムフィラー(中物)の容量が構造上の理由からハンドソーンウェルテッドに比べて
1.5倍程度(当社製品比)になるため、靴の履き心地をより自由にセッティングすることが可能となります。

このように、一見よく似ている二つの製法ですが、思いのほか異なる性格を持ち合わせています。

Shoe Republicでは、かねてからハンドソーンウェルテッドのみでなく、これとは違った履き心地を持つグッドイヤーウェルテッドのオーダー靴の製品化を考えていました。グッドイヤーウェルテッドはオーダーメイドに不向きであるため、その弱点を克服し、さらにお客様に納得していただけるよう、グッドイヤーウェルテッドの特徴をそのままに、しっとりと足を包み込むShoe Republic的チューンを施した靴の開発をめざしてきました。

結果的に時間をかけて開発した甲斐あって、山のような問題の数々もクリアでき、やっとグッドイヤーウェルテッドのオーダーメイド靴の発売が見えてきました。そうなると、次から次へと企画が浮かんできます。オーダーメイドなので、全てのお客様の期待に応えられるよう集中力が途切れない程度の数量の限定生産にしたいとか、毎回発表する靴はその都度少しずつ履き心地や仕様を変えて複数所有しても楽しめる靴にしたいなどなど、考えたらキリがありません。

ですが、どれも私自身がカッコ良い!欲しい!!絶対履きたい!!!と思うものにするつもりです。

とかくグッドイヤーウェルテッドの量産向けという性格に目が行きがちですが、その陰に隠されたすばらしい特徴を改めて認識し、そして生かしきれる靴を作りたいと考えています。Shoe Republicチューンドのグッドイヤーウェルテッドの発売を楽しみにお待ちください。


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